ステップメールは、メールマーケティングの手法の1つです。
ステップメールを効果的に使うことができれば、「顧客との信頼構築の自動化」や「セールスの自動化」など、そのメリットは測り切れません。ステップメールは一度作成してしまえば、あなたが寝ている間でも24時間自動で働いてくれます。
この記事では、「ステップメールを作ってみたいけど、初めてだからよくわからない」という方のために、ステップメールの概要、実際に作成していくときの手順やポイント、ステップメールの配信スタンドについて詳しくお伝えします。
Contents
ステップメールとは?

ステップメールとは、自社であらかじめ用意していた複数のメールを、1通目から順番に読者に送るメールのことです。
ステップメールは、読者がステップメールに登録したタイミングによって、配信される内容が人それぞれ異なります。つまり、今日登録した人と、3日後に登録した人では、送られてくるメールの内容が違うのです。
ステップメールは、あらかじめメールの内容、送る回数や期間、タイミングを自社がスケジュール設定しておき、1通目から自動で読者に配信することができます。
そして、スケジュール設定していたメールが全て配信されると読者へメールは届かなくなります。
メルマガとステップメールの違い

メルマガとステップメールを混同している方が多くいらっしゃいます。ここでは、両者の違いについてお伝えしていきますね。
前述したように、ステップメールでは読者が登録したタイミングによって、届くメールの内容が人それぞれ違います。一方、メルマガでは登録している読者全員に同じ内容のメールが届きます。
メルマガでは主に「新商品の情報・最新ニュース、キャンペーンの告知」といったタイムリーな情報を、自社のタイミングで一斉に読者に対し配信するために使います。
そのため、メルマガでは現時点で登録した読者は、過去のメールの内容を見ることはできません。読者には常に最新のメールが届きます。
ステップメールは、あらかじめ用意していた複数のメールを読者にイチから伝えていくのに対し、メルマガではタイムリーな情報を読者全員に一斉に伝えるために使います。
6STEP!ステップメールの作り方

ここからは、実際にステップメールを作る手順について説明していきます。ステップメールは、以下の6つのステップに沿って作成していきます。
- ゴールを設定する
- ターゲットを決める
- シナリオを設計する
- ステップメールを書く
- 配信設定をする
- 結果の検証をする
では、それぞれ詳しくみていきましょう。
STEP①:ゴールを設定する
はじめにやることは、ゴールの設定です。ステップメールを読んでもらい、読者に最終的にどのような行動をしてもらいたいのかを決めておきます。
具体的なゴール設定(読者にしてもらいたい行動)としては以下のようなものがあります。
- 商品を購入してもらいたい
- お問い合わせをしてもらいたい
- イベントやセミナーに参加してもらいたい
- 商品は売らず、読者の信頼を得たい
ステップメールを作成する際は、はじめにゴールを設定しておくことで、書く内容が変わってきます。
STEP②:ターゲットを決める
ゴールを決めたら次は、ステップメールを読んでもらう人はどのような人なのか? ターゲットを決めます。
ターゲットを決めることで、読者の心に響く内容のメールを書くことができるからです。
たとえば、20代の女性と40代の女性では持っている悩みや興味のあることは全く違います。そのため、ステップメールでも選ぶ言葉や表現は異なってくるのです。
設定したゴールをしっかり達成するためにも、ターゲット設定は非常に重要です。ターゲットを決めずにステップメールを書いてしまうと、読者の心に何も響かないメールになってしまい、ゴールの達成率が低くなってしまいます。
STEP③:シナリオを設計する
ゴールとターゲット設定ができたら、ステップメール全体のシナリオを考えます。ゴールに向かうまでに、どのような内容をどのような順番で伝えるのか事前に決めておくのです。
そうすることで、ステップメールは格段に書きやすくなります。また、シナリオを戦略的に設計することで、ゴールの達成率が格段にアップします。
シナリオ設計時のコツは、各ステップメールに1つの目的を定めることです。たとえば、「1通目では読者の共感を得る」「3通目では読者からの信頼を得る」「7通目ではセールスをする」というように、各メールに目的を定めてシナリオ設計をします。
ここで、各メールの目的が定まっていなかったり、1つのメールに複数の目的が入っていたりすると、読者は混乱してしまい何も頭に残りません。目的を1つに定め、読者にとってわかりやすい内容のシナリオを作成するようにしましょう。
シナリオ設計時は、エクセルのような表を使って作成するのがおすすめです。全体像を把握しやすくなるため、スムーズに作成できますよ。
STEP④:ステップメールを書く
シナリオができたら実際にステップメールを書いていきます。あらかじめシナリオがあるので、比較的書きやすいはずです。
メールを書くときの注意点としては、シナリオ設計時と同じように、1つのメールにつき伝えたいメッセージは1つに絞るようにします。1つのメールにたくさんの情報を書いてしまうと結局読者の頭に何も残らないうえに、話が段々逸れていってしまいます。
また、ステップメールは順番に送ったからといって、読者はすべて読んでくれるわけではありません。読者が途中から読んでもわかりやすいような工夫をするようにしましょう。
STEP⑤:配信設定をする
ステップメールが完成したら、ステップメール配信スタンドで配信設定をします。
たとえば、「いつから送るのか」「何時に送るのか」「メールを送る間隔(毎日、1日置きなど)」といったことをスケジュールを決めて設定します。
ステップメールを配信するツールについては、おすすめの配信スタンドを後述しますので参考にしてみてください。
STEP⑥:効果の検証をする
ステップメールは作成して配信したらそれで終わりではありません。配信後、ある程度時間が経ったら、必ず効果の検証をします。
ステップメールの効果を検証する項目には以下のようなものがあります。
- 開封率
- 到達率
- 開封時間
- クリック数
- 成約率
- 件名(タイトル) など
ステップメールは送って終わりではなく、必ず配信後に「読者がきちんと設定したゴールを達成しているか?」 という効果の検証を行う必要があります。
その検証結果に応じて「どうすればもっとゴールへの達成率が上がるだろうか?」といった改善を行います。ステップメール配信後は、効果の検証と改善を繰り返し行い、より精度の高いステップメールになるようにしましょう。
ステップメールのメリット

では、ステップメールのメリットについてみていきましょう。
信頼関係の構築が自動でできる
ステップメールを使えば、読者との信頼関係の構築を自動でできるようになります。
そもそも、ステップメールに登録した時点で読者は、すぐにあなたから商品・サービスを購入したいと思わないことがほとんどです。まだ販売者であるあなたや、あなたの商品・サービスについてわからないことが多いからです。
そこで、ステップメールを使い「販売者のプロフィールや想い・読者が欲しいと思う有益情報・商品の詳しい特徴」といった内容のメールを順番に送っていきます。そうすることで、読者との信頼関係を徐々に構築していくのです。
人は信頼できる人から商品・サービスを買いたいと思います。ステップメールでは、事前に作成したメールを順番に送っていくことで、自動的に読者との信頼関係を構築できるようになります。
セールスの自動化ができる
前述したように、ステップメールで読者と信頼関係の構築ができれば、そのままステップメール内でセールスすることも可能です。
読者としっかり信頼構築ができていれば、たとえ会わなくてもステップメールだけであなたの商品を購入してくれる可能性が高くなるからです。
よって、ステップメールの中に商品のセールスの内容も入れておけば、商品は24時間自動的に売れていくことになります。つまり、1度ステップメールを作ってしまえば、あなたは何もしていなくても収入を得ることができるのです。
ここでもし「まだ売る商品がない」という場合は、ステップメール内で無理にセールスをしなくても大丈夫です。ステップメールで読者に有益な情報を送っていれば、商品ができたときにいつでも購入してもらいやすい状態を作っておくことができます。
ブランディングができる
ステップメールは、ブランディングするためのツールにもなります。ブランディングとは、「ブランド化するための活動」のことです。
たとえば、コーヒーといえば「スターバックス」、スニーカーといえば「ナイキ」というように、ある商品を想像したとき、お客様にすぐに思い出してもらえるような存在になることを目的とします。
すぐに思い出してもらえる存在になることができれば、あなたはお客様に率先して選ばれる存在になります。つまり、ライバルに勝てることになるので売上が上がりやすくなるのです。
ステップメールでブランディングを成功させるためには、ステップメール内で読者から強い共感を得られたり、好感をもってもらえたりする内容を送ると良いです。
そうすることで、読者はファンになり、あなたの商品を繰り返し購入してくれるようになります。
ステップメールのデメリット

次に、ステップメールのデメリットについてです。
読者リストがあることが前提となる
ステップメールを送るには、当たり前ですがメールを送る相手(読者リスト)がいることが前提になります。よって、読者リストが無い場合は、集めるところから始めなければなりません。
読者リストを集める方法は様々ありますが、一般的には以下のような媒体から集めることが多いです。
- facebook、Twitter、InstagramといったSNS
- サイトからのSEO集客
- GoogleやYahooの広告
- Youtube
- 電子書籍
読者のメールアドレスを集めるには、例に出したような媒体を使い、自社を認知してもらったうえでメールアドレスを登録してもらう必要があります。この読者リストを集める作業が意外にも時間や手間がかかります。
リアルタイムの情報配信に向いていない
ステップメールは、新商品の案内や日時の決まっているセール・セミナーの案内といった、リアルタイムの情報配信には向いていません。
たとえば、ステップメールで1か月後に開催するセミナーの情報を配信するとします。この場合、セミナー前にステップメールを読んでくれた人ならセミナーに来てくれる可能性は高いです。しかし、セミナー後に登録した人にとってはもう過去の話になりますよね。
これではステップメールを送っている意味がありません。セミナー後にはすぐにステップメールのメンテナンス作業が必要になります。
もしこの時メンテナンスを忘れ、過去の情報が送られてきた読者はあなたへ不信感を抱きかねません。このような事態を招かないためにも、ステップメールでは日時に指定があるような内容は送らないほうが良いです。
日時に指定のあるイベントなどの情報は、メルマガで一括配信するようにしましょう。
作成に時間がかかる
ステップメールはあらかじめ複数のメール(約7~10通)を準備してから読者に配信します。よって、作成するまでに時間がかかるのです。
ステップメールを作成するには、構成やシナリオ設計、本文の作成などやるべきことはとても多くなります。ステップメールは単発で送るメルマガよりも難易度は高いと言えるでしょう。
具体的なステップメールの作成手順については後述します。
ステップメールを利用したほうがいいビジネス

ステップメールは作成までに時間や労力がかかります。無駄な労力を使わないためにも、始める前には以下を参考にしてから取りかかるようにしましょう。
商品・サービスが高額なビジネス
通常、お客様は高額商品を購入する場合、「費用対効果」や「ライバル商品との比較」など、購入前の検討時間は長くなります。十分に信頼、納得できるものでなければ、大金を払うことはできないからです。
ですが、ステップメールを使うと、少ない労力で読者と信頼関係の構築を行うことができます。ステップメールでは、1通1通送られるメールで徐々に読者との信頼関係を構築していくため、メールの後半には高額商品であっても購入してくれる確率が高くなるのです。
特に、コンサルティングといった無形の高額商品を扱っている場合、ステップメールはおすすめです。ステップメールであなたの人柄や信念、事業内容や商品について徐々に読者に教育していき、自動的に信頼関係を構築していくことができます。
関連商品や上位商品があるビジネス
一度販売した商品と関連のある商品(クロスセル)や、より価値の高い上位商品(アップセル)を持っている方にもステップメールはおすすめです。
なぜなら、ステップメールで信頼関係を構築し、一度でもあなたから商品を購入してくれたお客様は、再度違う商品をおすすめしても購入してくれる可能性が高いからです。
たとえば、一度有料の会員になってくれた方にはプレミアム会員(アップセル)を勧めたり、パソコンを購入してくれた方にはマウス(クロスセル)の購入も勧めたりすることができます。
信頼できる販売者からおすすめされる商品は、「この人の商品なら買いたい」と思ってくれるようになります。その結果、お客様一人当たりの購入単価を上げることができるのです。
ステップメールを利用しないほうがいいビジネス
次に、ステップメールを利用しないほうがいいビジネスについてです。
低単価・買い切り商品を扱うビジネス
取り扱う商品が低単価・買い切り商品の場合、ステップメールはおすすめしません。
商品が低単価の場合、お客様の購入に対する痛みが少ないため、信頼関係がなくても購入してくれることが多いからです。また、買い切り型の商品の場合は、読者と継続的な関係構築をする必要性がありません。
ステップメールは作成に時間と労力がかかります。低単価・買い切り商品を扱っている場合は、ステップメール作成にかかる工数も考えたうえで検討するようにしましょう。
ステップメール配信スタンドについて(無料あり)

最後に、ステップメールを配信するためのツールを紹介します。
ステップメールを送るためには、事前にステップメールを送るための配信スタンドに契約しておく必要があります。配信スタンドには無料から有料まで種類は様々です。
「まずは試しに使ってみたい」という方は、無料版や無料お試し期間のある有料の配信スタンドから使うことをおすすめします。
ただし、長くステップメールを利用していくのであれば、無料版を使い続けることはおすすめしません。なぜなら、無料版は有料版に比べて「メールの到達率が悪い」「人数制限がすぐにくる」「クリック測定などが使えない」というようなデメリットが多いからです。
無料版から使い始めたかたは、ある程度軌道にのってきた段階で有料版への切り替えをおすすめします。では、以下におすすめのステップメール配信スタンドをご紹介します。
メールdeコネクト(無料利用あり)

特徴
- 読者10万人まですべての機能が無料で利用できる
- HTMLメールの配信が可能
- 開封率・クリック率・成約率などの効果測定が可能
メールdeコネクトは、豊富な機能をすべて無料で利用できる配信ツールです。無料で戦略的なメールマーケティングを行うことができます。
また、ユーザー情報の追加や変更・削除が自動でサーバーに同期されるため、手動でユーザー情報をアップロードする必要がありません。
メールdeコネクトは「まずは、無料でしばらく試してみたい」という方におすすめです。サービス解約時には1ヵ月前の通知が必要であることを覚えておきましょう。
オレンジメール(無料利用あり)

特徴
- 読者100人までなら6か月間無料で利用できる
- 有料プラン(読者2,000人まで)切り替え後も30日間の無料トライアルがある
- メール配信数・シナリオ数無制限
オレンジメールは、「安くて使いやすい」と定評があり、女性にも人気がある配信スタンドです。シンプルな操作性で使いやすく、ステップメールやクリック解析といった必要な機能もすべてそろっています。
また、オレンジメールは読者が100人までなら6か月間無料で利用することができます。有料版に登録すれば電話サポートも受けられますので初心者にも安心です。
オレンジメールは、読者数が増えるにつれ月額料金は上がりますが、日間・月間配信数に制限がないため、1日に複数回号外やキャンペーンメールを送ることも可能です。
AutoBiz(オートビズ)

特徴
- 高い到達率
- サポートが充実している
- PayPal(ペイパル)決済と連携できる
AutoBiz(オートビズ)の最大の特徴は「メールの到達率の高さ」です。国内のメール配信システムの中でもトップクラスの到達率と言われています。
サポートの手厚さにも定評があり、下位プランからでも電話とメールのサポートが受けられます。料金体系もリーズナブルであることから非常に人気のある配信スタンドです。
また、AutoBizでは、メルマガ登録フォームからPayPal(ペイパル)決済と連携ができます。有料のメール講座を運営したい方は、登録フォームからそのままペイパル決済ができるのでおすすめです。(※この機能を使う場合は、別途ペイパルとの契約が必要)
ただ、AutoBizは、月間メルマガ配信数に制限があります。登録する際には、よく検討したうえで選択するようにしてください。
MyASP(マイスピー)

特徴
- 高い到達率
- メール配信数・シナリオ数無制限
- クレジットカード決済と連携できる(クレジットカード・銀行振り込み・PayPal)
MyASP(マイスピー)は、非常に多機能な配信スタンドです。多機能でメールの到達率が良いことから、本格的にメルマガで収益を上げたい方におすすめです。
マイスピーは、ステップメールのシナリオ数・ステップ数に上限がありません。よって、多くのステップメールを作り収益の自動化をしたい方におすすめの配信スタンドになります。
ただ、機能が多すぎることから初心者には少し難しいかもしれません。初心者の方は、まずは必要最低限の機能がある配信スタンドを使ってみて、物足りなさを感じたらマイスピーに移行するのも良いでしょう。
ステップメール配信ツール比較
上記で紹介した4つのサービスの比較です。
サービス名 | メールdeコネクト | オレンジメール | AutoBiz | マイスピー |
おすすめ度 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
初期費用 | 0円 | 12,800円 | 11,000円 | 0円 |
月額料金 | 0円
(読者10万人まで) |
0円~
(6か月間読者100人まで) |
1,815円~ | 3,300円~ |
無料利用 | あり | あり | なし | なし |
初心者の場合は、無料トライアルがあり、操作がわかりやすいオレンジメールがおすすめです。
まとめ
この記事では、まだステップメールを作成したことがない人に向けて、ステップメールの概要、メリット・デメリット、実際の作成手順やポイント、おすすめの配信スタンドについてお伝えしました。
ステップメールを作成していくための全体的なイメージができたのではないでしょうか?
ステップメールは、商品の購入やセミナーへの出席など、あなたが読者にしてもらいたい行動を全自動でできる優れたツールです。作成まで時間はかかりますが、一度作ってしまえばその絶大的な効果に驚くことでしょう。
効果的なステップメールを作成し、ぜひあなたもその効果を体験してみてください。