マーケティングにおいて「ベネフィット」の伝え方を正しく理解していないと、お客様に商品を購入してもらうことはできません。
そこでこのページでは、「ベネフィットって何?」「メリットとどう違うの?」という方のために、セールスにおいて超重要な「ベネフィット」について詳しく説明していきます。
ベネフィットを正しく理解して、お客様に「この商品・サービスが心からほしい!」と思ってもらえるようになりましょう♪
Contents
ベネフィットとは?

ベネフィット(benefit)を直訳すると、「便益」「利益」「恩恵」という意味になりますが、マーケティングにおいてベネフィットとは「商品を購入したあとの素晴らしい未来」のことを指します。
そもそも、お客さんは商品・サービス自体がほしいわけではありません。商品・サービスを購入した先の未来にお金を払っているのです。
たとえば、私たちはなぜスマートフォンを買うのでしょうか? デザインがかっこいいから? それとも性能がいいからでしょうか?
もちろんデザインや性能も大切ではありますが、一番はスマートフォンを買うことで友達とコミュニケーションが取れたり、ネットで買い物ができたりと生活が便利になるからですよね。
私たちはスマートフォンそのものが欲しいわけではなく、スマートフォンを買った後に様々な便利なことができるから高額であっても買うわけです。
つまり、商品サービスを購入してもらうためには、商品そのものの説明をするのではなく、商品を購入した先の未来である「ベネフィット」をお客様にしっかり伝えないと、購入してもらえません。
ベネフィットとメリットの違い

では次に、ベネフィットとメリットの違いについてです。ベネフィットとメリットは似ているようで実は違います。
メリットとは、商品サービスの特徴のことで、ベネフィットとはメリットの先にある素晴らしい未来のことです。
では先ほどのスマートフォンの例を出してみましょう。
*スマートフォンのメリット
- カメラの画質が良い
- 保存容量がたくさん
- 画面が大きい など
メリットはこのように、あくまでも商品・サービスの特徴です。
ではこれらのメリットを元にして、スマートフォンのベネフィットを考えてみます。
*スマートフォンのベネフィット
メリット(特徴) | ベネフィット |
カメラの画質が良い | 子どもの写真がキレイに撮れる |
保存容量がたくさん | 音楽がたくさん保存できて好きなときに聴ける |
画面が大きい | 動画が見やすく、目が疲れにくい |
表のように、メリットは商品サービスそのものの特徴、ベネフィットはメリットの先にある満足感や嬉しい変化といった素晴らしい未来のことを指します。
ベネフィットには3種類ある!

ここで、ベネフィットについてもう少し詳しくみてみましょう。商品購入後の素晴らしい未来である「ベネフィット」には以下のように3つの種類があります。
1.機能的なベネフィット
機能的なベネフィットとは、その商品サービスがもつ特徴からくる機能、便利さ、効率の良さといったものです。
たとえば、より早くできる、キレイにできる、おいしくできる、手間なくラクできる、無駄なく効率が良い、などといったものになります。
2.情緒的なベネフィット
情緒的なベネフィットとは、その商品サービスを使ったことで満たされる感情のことをいいます。
たとえば、楽しくなれる、安心できる、嬉しくなる、誰かに好かれる、人を驚かせられる、などといったものです。
3.自己実現的なベネフィット
自己実現的なベネフィットとは、その商品サービスを使うことで、なりたい自分になれる状態のことをいいます。
たとえば、他人に自慢できる、優越感が味わえる、品質を見分けられる人になれる、などといったものです。
このように、ベネフィットといっても種類があります。1つの商品に対し、ベネフィットは1つだけではなく、複数あるということも理解しておきましょう。
2ステップ!ベネフィットへの変換方法

では、実際に商品サービスのベネフィットを表現できるようになりましょう。
ベネフィットは、商品サービスの特徴(メリット)を洗い出し、「だからどうなるの?」を考えることで導き出すことができます。
例として、化粧水を出してみます。
STEP1:商品・サービスの特徴(メリット)を洗い出す
<化粧水のメリットの例>
- 保湿成分がたくさん入っている
- アルコールフリーで低刺激
- たっぷり500ml大容量
STEP2:「だからどうなるの?」を考える
出てきたメリットに対し、「だからどうなるのか?」を考えてみましょう。
メリット |
だからどうなる? |
ベネフィット |
保湿成分がたくさん | 潤いが続いて乾燥から肌を守る | |
アルコールフリーで低刺激 | お肌の弱い人でも安心して使える | |
たっぷり500ml | 長く使えてコスパが良い |
このように、ベネフィットは、メリットを洗い出すことで導きだすことができます。
お客様に商品サービスを売る場合は、メリットばかりを説明するのではなく、メリットの先にあるベネフィットを効果的に伝えるようにしましょう。
注意:お客様によってベネフィットは変わる!

ここで注意しておきたいのは、同じ商品であっても、ターゲットとするお客様や利用シーンによってベネフィットは変わります。
たとえば、パソコンを男性と女性に売る2パターンを考えてみます。
パソコンの特徴
- 5色のカラー展開
- 最新のメモリ搭載で動きが早い
- コンパクトな13インチ
- 内臓カメラの画質が良い
パターン①
- ターゲット 30代男性
- 利用シーン 会社
<ベネフィット>
- シックなカラーを選べば出来る男と思われる
- 重たい作業でもサクサク動きつ待ち時間なくストレスフリー
- コンパクトサイズで机の場所を取らない、広々と使える
- WEB会議中でも自分の後ろにあるホワイトボードの文字がキレイに見える
パターン②
- ターゲット 30代女性
- 利用シーン 新幹線
<ベネフィット>
- 自分にピッタリのカラーで持っているだけで気分が上がる
- 起動も操作も早くて待ち時間なく、ストレスフリー
- コンパクトサイズで新幹線で作業しても邪魔にならない
- WEB会議でも自分がキレイに映るから毎日が楽しい
このように、ベネフィットはターゲットや利用シーンで大きく変わります。
ベネフィットを考える際は、「誰がどんなときにどのように使うのか?」 を想像して考えるようにすると、よりお客さんに響くベネフィットを考えることができます。
まとめ
できるセールスマンは、「メリット」と「ベネフィット」を上手に使い分け、お客さんに商品を説明することができます。
しかし、実際にはほとんどの商品紹介ページやホームページでは、メリットばかりが伝えられていることが多いです。
他との差をつけるためにも、ベネフィットの伝え方を身に付け、商品の魅力を100%お客さんに伝えられるようになりましょう。
その効果に驚くはずですよ♪