ライターとしてWEBで文章を書くなら必ずおさえておきたいのが「景品表示法」。
商品やサービスをWEB等で紹介する際、「商品を良くみせたい!」「たくさん売りたい!」と思うあまり行き過ぎた表現をしてしまうことがあります。
こうした行き過ぎた表現は、景品表示法に引っかかってしまうケースがあるんですね。
特に、人体に影響をおよぼす可能性のある薬機法が関わる商品・サービス(サプリメントやダイエット食品など)は、景品表示法で厳しく取り締まりがされています。
ライターとして活動している or 活動したい という方は、景品表示法も頭に入れておくことをオススメします^^
Contents
景品表示法とは

正式名称:「不当景品類及び不当表示防止法」(略称:景品表示法、景表法)といいます。
景品表示法の目的は、
「誤解を招くような表示(不当表示)をしている商品・サービスから消費者を守るため」です。
大まかな内容としては、以下の2つです。
- ウソや誇大表現をして、顧客に商品・サービスを買ってもらおうとすること(不当表示)
- 過大な景品をつけて、顧客に商品・サービスを買ってもらうとすること(不当景品類)
このように景品表示法では、ウソをついて商品を買わせようとしたり、実際の商品よりもすごく良い景品をつけて買わせようとしたり、ということが起こらないように取り締まりをしています。
また、景品表示法は薬機法とは違い「すべての商品・サービスが対象」となります。
ここでいう「表示」の対象は?

景品表示法でいう「表示」の対象は、販売者が消費者に商品を購入してもらうために使う広告や表示物全般のことを指します。
たとえば、以下のようなものが「表示」の例に当たります。
- チラシ、パンフレット、カタログ
- 容器、パッケージ、ラベル
- ダイレクトメール、FAX広告
- ディスプレイ(陳列)、実演広告
- 新聞、雑誌、出版物、テレビ・ラジオCM
- ポスター、看板
- セールストーク(訪問・電話)
- インターネット上の広告、メール
普段、目にするものほとんどが景品表示法における「表示」の対象範囲に当たるということだね!
「不当表示」の種類について

では、景品表示法でいう「不当表示」にはどのようなものがあるのでしょうか? 「不当表示」は、大きく分けて以下の3つがあります。
優良誤認(ゆうりょうごにん)

「優良誤認」は、実際の商品・サービスよりも “ 品質や規格がすごく良い ” と消費者に誤解を与えるような表示のことを言います。
たとえば、「国産の鶏肉という表示をみて購入したのに、実際にはブラジル産だった」という場合は、優良誤認に当たります。
このように優良誤認は、商品・サービスの広告をみて「(品質や規格などが)すごく良い!」と思って買ったのに、実際にはそうではなかったという場合です。
優良誤認を指摘された場合、表示の裏付けとなる根拠のデータを消費者庁に提出する必要があります。提出できなければ広告の取り消し、修正が必要になります。
有利誤認(ゆうりごにん)

価格などの取引条件(※)を実際よりも “ お得だ!” と消費者に誤解を与えるような表示のことを言います。
たとえば、電気屋さんで気になる商品のセール期間が本日までとなっていたので「お得だから今のうちに買おう!」と思って買ったのに、実際にはそのセール期間はウソだった、という場合です。
有利誤認は、消費者にウソの表示で「これはお得だ!」と思わせておいて、実際にはそうではないという表示のことを言います。
※取引条件・・・価格、数量、特典、アフターサービス、保証期間、支払い条件など
その他、誤認されるおそれのある表示
景品表示法では、「優良誤認」と「有利誤認」だけでは複雑な経済社会において一般消費者の利益を守ることは難しいと考えられています。
そのため、「優良誤認」と「有利誤認」以外にも、以下の6つの表示が消費者に誤認される恐れがある告示であると定められています。
①無果汁の清涼印象水等についての表示
②商品の原産国に関する不当な表示
③消費者信用の融資費用に関する不当な表示
④不動産のおとり広告に関する表示
⑤おとり広告に関する表示
⑥有料老人ホームに関する不当な表示
過大な景品類(不当景品類)の提供禁止について
次に、「不当景品類」についてです。景品表示法では、過大な景品類(※)の提供を禁止しています。
※景品類・・・商品を購入してもらう目的で商品に付随して提供する物や金券など
景品類に関しては、以下の3つのパターンによって景品として付けられる金額の上限が決められています。
1.一般懸賞

商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供すること。
例)抽選券やじゃんけんにより提供、パズルやクイズの正誤により提供、競技や遊戯の優劣により提供
懸賞による取引価格 | 一般懸賞における景品類の限度額 | |
最高額 | 総額 | |
5,000円未満 | 取引価格の20倍 | 懸賞に係る売上予定総額の2% |
5,000円以上 | 10万円 |
2.共同懸賞

商店街や一定の地域内の同業者が行う懸賞。
例)商店街が共同で行うお中元や歳末セール、地域の同業者が行うお祭り(電気まつり等)
共同懸賞における景品類の限度額 | |
最高額 | 総額 |
取引価格に関わらず30万円 | 懸賞に係る売上予定総額の3% |
3.総付景品

商品の購入者や来店者に対し、もれなく提供する景品。
例)来店者全員にプレゼント、商品購入者全員にプレゼント、先着〇名様にプレゼント
総付景品の限度額 | |
取引価格 | 景品類の最高額 |
1,000円未満 | 200円 |
1,000円以上 | 取引価格の10分の2 |
景品表示法に違反するとどうなる?

では、景品表示法に違反するとどうなるのでしょうか?
景品表示法に違反した場合、下図の手順により「措置命令」と「課徴金納付命令」が行われます。

画像引用元:事例でわかる景品表示法
景品表示法の管理は「消費者庁」「公正取引委員会」「都道府県の自治体」の3者が連携をして行っています。
これらの機関の調査により景品表示法違反が認められると、以下のような「措置命令」と「課徴金納付命令」が行われます。
措置命令 | 事業者に対して景品表示法違反の行為をやめ、今後繰り返さないように命じる処分(消費者庁のWEBに公開される) |
---|---|
課徴金納付命令 | 違反行為を行っていた期間の総売上3%を支払う |
※過去の景品表示法の違反事例は消費者庁のホームページで確認できます。
まとめ
なにげなくWEBで文章を書いていたら「景品表示法にひっかかっていた!」というケースはよくあります。
特に、人体に影響を及ぼすような商品・サービスにおいては景品表示法で厳しく取り締まりがされています。
指摘を受けた際に「知らなかった!」では済まされないこともありますので、これを機会に景品表示法もぜひ頭に入れておいてくださいね^^